鬼
真夜中の草深い町はづれを
莫進する列車に
ふと吸いこまれる 優しい魂
詩友よ
貴方のやさしい魂が はがゆくなって
流るるにまかせよとは思えども
私の愛情が足りず
疲れた貴方を慰めてあげられない
それぞれに光たたえて柔らかく
露おく けさの
田園の草になれぬものか
と
願えども 焦立ちて
醜さが心に巣食う鬼と化す
夢追い人な貴方の未来
その実生活が、はかなきものに思え
不信の日の午後
唇をへし曲げて悪態つく
赤く濁った流れが
いつもの水路をはるかに超えて
小石を押し流す
あかく にごった雨の悲しさ
鬼とても
からたちの棘に刺され
血噴く指をなめて笑うしかなく
霧の中より幻の様にあらわれる女は皆
重きコートに思索を包む
詩友よ
そういうものに
私も なりたいのだ
コメント
鬼 の 迫力がある詩ですね。すごい詩です。
鬼といっても色々な鬼が居ますね。恐ろしい鬼も居れば、赤鬼青鬼みたいに優しい鬼も居る。地獄の鬼は、悪いことをした罪人に地獄で罰を与える善い鬼ですね。
ふふ、鬼と一言で言っても、いろんな鬼が居て面白味がありますね。
この詩の鬼は、醜さが心に巣食う鬼と化す、という部分だけ言えば、鬼である自分を自覚している。そこにある種・ある次元の美しさと こころの強さのようなものを感じます。
私はかつて小鬼でした。でも、ある先輩 詩人仲間さんに言われて、「ああ、人間は、醜い部分も汚らしい部分も、美しい部分もあるんだ。おれは人間なんだ」と思えたんです。そして、私は、小鬼から人間に立ち戻ることが出来た。
でも、私を支えてくれた小鬼に、今でも感謝しています。ふふ。^^
そういうものに
私も なりたいのだ
思い続ければ、いつかなれる、と思います。思い続ける力。きっと。
@こしごえ
様へ
お読みいただけて素敵なコメントまで、お寄せくださり感謝しています!(^ ^)
こしごえ様の、小鬼シリーズを拝読させていただきまして、この作品を書く事が
出来ました。どうもありがとうございます!m(_ _)m 丁寧に読み取ってくださり
とても嬉しいです。
おっしゃってくださいます通り、この鬼は私の煩悩そのものであり、現在自らの
心のあり様を素直に描きました。追い払うことも出来ない鬼ならば、どうしようも
なく愚かな一面を、成長して行くしかない。
そうですね。「思い続ける力」を、信じたいと思います。いつか、きっと…そういう
ものに、私はなりたい!と。(*^^*)
この作品の鬼は優しさも兼ね備えているみたいですね。
中華がここ10年伸びるなか、中華ネットで日本鬼子と
日本を蔑視してきたのに、日本人の絵師さん達によって
日本鬼子がかわゆくなってしまったのもうなずけますね。
ほんとのほんとは鬼はリリーさんの描くとおり複雑怪奇
なはずなのに、昔から日本人って、よくよく考えたら鬼は
受け入れがたいながらも、近寄りがたいながらも、一緒に
居る、そして、見えないところで、日々の生活に影響を
与えている居ることへの肯定感があったように思います。
私は現実としてゴキブリは受け入れられないのに、
鬼は居なくても認めてしまっているので同じかな?
@足立らどみ
あ、間違った。
我が家に居ました。
、、、
嘘です。自分にごめん。
@足立らどみ
様へ
お読みいただきまして、ご感想のメッセージをどうもありがとうございます!(^ ^)
嬉しいです。♪
現在の私的感情を詩に起こしてみました…抒情詩です。と、上品に言える様な
ものでなく白紙の原稿用紙へぶちまけた、と言う方が正直かも知れません。
タイトルは最初「鬼面」「般若」など迷いました。自分自身で「鬼だなぁ…」
と自覚する度合いを感じ「鬼」としました。(笑)
「日本鬼子」といえば、(ひのもとのおにこ)日本の萌えキャラクターですものね。
現代の中国でもナショナリズム的な主張の際に使われるともありますね。…。
私とかの年代だとぉ…高橋瑠美子さんの漫画作品でTVアニメ化された「うる
星やつら」に登場する宇宙から来た鬼娘を想像してしまいます。
日本人にとって、鬼や妖怪は歴史遡る身近な存在であり。奥深いものとして
受け入れられて来たのだろうなぁ…と思えます。
ゴキブリは私も受け入れたく無いのですが、地球で人類の出現よりも先だった
とか?本当なのでしょうか。そうだとしたら、ゴキブリの方が人間を受け入れ難く
思っているのかも知れない、などと想像してしまいます。(⌒-⌒; )
タイトルから胸が高鳴り、読むとその昂りで気持ちよく遠くまでいくようでした。
濁りが澄むのを願っているようでもありました。
@たちばなまこと
様へ
お読みいただきましてコメントをお寄せくださり、どうもありがとうございます!(^ ^)
ご感想のお言葉に、タイトルへぶら下がってしまう内容でなくて良かったと感じました。
たちばな様からのお優しいお気持ちをうかがいまして、たいへん嬉しく思います。
m(_ _)m