キラキラ公園22時
苫小牧港 大潮
大型船の往来を眺められる公園で
2年目のバッカンを開ける
掘り込まれたこの場所は
夜通しあかりがまたたくから キラキラ公園と呼ばれている
スーパーで半額だった秋刀魚を携えて 遅れてやって来た父が
遠投の磯竿にナイロン10号6000番のリールを付けて
あんたも久しぶりに投げてみな
と、差し出す
30年ぶりだろうか
梃子の原理でタイミングよく人差し指を離すと
漆黒の海におもりが とぷん、と落ちる
すっかり痩せた父だが
細マッチョとも言える
水を届けるためのラインを伸ばすようなお仕事で
私はご飯を食べ そして学んだ
国中から 世界中から
ものやことがやり取りされる港
自転車で5分のこの場所にマイクのホテルがあった頃
お祝い事で何百もの人が寄せては返し
ひとときの恋も大波小波だった
今は公園になって
そんなことは知らないだろう水遊びの子どもたちと
夏の陽がキラキラ
秋刀魚の切身でお刺身サイズのソイを釣り上げた夫は
よく釣りに連れられた頃の父よりちょっと歳上
弱いあたりで巻いて来た父には黒っぽい巻貝が
引きの強い尺越えのカレイを私は水面でバラし
しゃーないな
来年は黄金（こがね）でボートにでも乗ろうか
あんときはあんたにだけマガレイかかったもんな
父が教えてくれた懐かしい響きが
眼の奥でキラキラ
コメント
こんばんは。
なんて優しいんだろうと、ぼくは想いました。それだけを、
キラキラ公園、行ったことはありませんが、港の近くの、船の往来の景色や、釣りもできる、素敵な公園だなあと思いました。大切な人とのたくさんの思い出で、さらにキラキラと輝いて見えます。人々の心の中に、風景や思い出が刻まれているのだろうなと思いました。
親子で夫婦で釣りですかー。いいなぁ、キラキラした時間の今昔。自分にとってのキラキラ公園はどこだろう、そこに誰がいるだろうってなことを思いました。
@wc.
さん。
わあ、うれしいです！
ありがとうございます。
@ayami
さん。優しいコメントありがとうございます。全国的にそうらしいですが、苫小牧港、昔はお仕事の人の邪魔さえしなければ釣りし放題だったのに、どこもかしこも釣り禁止になり、整備された公園や施設でした出来なくなっちゃったんですよね。
そんな中でもキラキラ公園は一日中誰かのキラキラが絶えない素敵な公園です。
@あぶくも
さん。父のおかげでアウトドアが好きになりました。釣りは道具を集めるのも楽しくて（値段は高くなくて良い）、段取りしたり工夫して使うのがまた楽しいです。
そうか、それぞれのキラキラ公園があるのですね。
キラキラ公園
https://www.jptmk.com/kirakira/index.html
まだ大阪にいた頃、和歌山の有田川の河口付近で、夜中にキスを釣りました、沖にあらわれる釣り船のあかりが、ふえていき、そしてへって行き、いつしか、しらじらと明けていきました。糸が指から離れる瞬間、その瞬間が、ポエジーなのかな。
やったことないけど、釣りってとても贅沢な沈黙なんだろうなと、思いました。
皆さんの関係性がとってもキラキラしてました。
@坂本達雄
さん。夜から夜明けまでの釣りの風情は、何ものにも例えられないですよね。そしてキスは美しくて美味しいです。
糸が指から離れる瞬間…そうかもです。
@nonya
さん。釣りにはやはり待つイメージがありますね。自分は性格的にのんびり出来なくてずっと手を動かしていたい。
次回あたりは贅沢な沈黙に注目してやってみたいです。違うキラキラが見つかるといいです！
返信など、誤字が多くてすみません。
読み返しているのに気付かないという…。
家族で釣り、すてき。その様子が目に浮かぶ描写もすてきです。キラキラ♪＾＾
昔、多摩川で私は友達と（ド素人なので）遊び程度の釣りをしたことがあります。お魚が掛かる掛からないは関係無く、糸を垂らして待っている時間が楽しかったのを思い出しました。（掛かったお魚はすぐに放して逃がしました）
@こしごえ
さん。
多摩川！スモールマウスバスとか釣れるらしくてチャレンジしたいと思いつつ、いつもシーズンが終わります。
（お魚さんリリースしてあげたのですね。）
私は待つ釣りが実は苦手で、釣れないと飽きるし、です。待つことを楽しむ人にもなれたらいいな。
苫小牧にはコンビナートを少し遠くの丘で見下ろした記憶があります。キラキラ公園、、！見逃してました。父に連れられて釣りに出掛けていたのを思い出します。タイトルから一気にポップなイメージが釣りあがりました。
@ぺけねこ
さん。出光のコンビナートは20年前の地震で火事になったのが思い出されます。
きっとぺけねこさんが立った丘は緑ヶ丘公園なんだろうと思います。あそこからは夜のキラキラが見られます。
ぺけねこさん親子も釣りをされるのですね。釣りあがるという釣りにかけたコメント、上手い！です。