駐輪場
リリ、
並ぶ白色灯の下、駐輪場のなきごえ
自転車で思いっきり転んでしまって
すりむいた右肘にやさしくにじむ
テレビに映る
わたしが何度も転ぶたび
笑いが客席からおきる
顔をあげる
横転した自転車の車輪がまわっている
次の舞台
車輪の内側で走る
目の前にひまわりの種
手を伸ばせば
ぐんぐんと車輪を壊しながらそびえ
ばらばらと降りそそぐ
一番大きな買い物袋をひろげあつめて
破けて
ひまわりの種が坂道を転がる
客席から笑いがおこる
テレビの横
顔のない写真
落とした一つのピース
今夜は眠れるかな
わたしが少しにじむ
かすかななきごえ
舞台は笑いに包まれている
コメント
駐輪場 という詩世界の強度とバランスがすてき。
この詩には「笑い」と書いてあるが、この詩のシリアスで のっぴきならない空気を感じます。
@こしごえ
さん
ありがとうございます。
バランスって難しくて、力を入れすぎても、抜きすぎても転んでしまい
転んだまま見える景色もあるのでしょうけれど、道の真ん中でいたいいたいと呟いてるばかりもいられず。
とまれ
嬉しかったです。
確かに駐輪場って鳴くなあ!と、脳が喜びました。
お客さんがいる場面への繋ぎ、表現や転換そのものが上手いなあと。
力のある方なんだろうなと感じます。
面白い視点ですね。
コマ送りのように展開していく場面に
心地好い緊張感がありました。
@たちばなまこと
さん
嬉しいです。
とても、と
素直に、返信させていただきます。
たちばなまこと さんの
近作を読ませていただいた後で
ぼうっと、しています。
今はそれがいいかな、と
言葉も場面も全てミキサーにかけたら
一滴は残るかな。
そう、感じました。
ありがとうございます。
@nonya
さん
コメントを貰えるのって、とても嬉しいですね。
詩のようなもの、になれたかどうかはわかりませんが
nonyaさんに視点を面白いと言われると
さすがに、過分に思えますが
書きたいですし、読みたいと思えるのは
うん、よく眠れたおかげです。
ありがとうございます。