ありがたや
トイレットペ-パーの残りを
使いきり、ちんと鼻をかむ
残った芯に
印刷された ありがとうございます
の文字に
僕も呟く ありがとう
最近は鼻づまりがひどくて
なかなか寝つけずしんどかったが
昨夜は鼻うがいが功を奏して
すっきり、目が覚めた
ああふつうに
呼吸できるのは
ありがたや
僕は忘れていた
日々無数の あたりまえ に
支えられ、立っていること
ありがたや
妻と息子と今日会う誰かに
食事とトイレと布団に
この詩を書くペンを作った人に
あの日の挫折に
時々、うまくいく瞬間に
五文字の 念 をおくります
いつか--この人生に
ふかく頭(こうべ)を垂れる日まで
続いてゆく道の途中
この両手に受け取る
今日という一日
コメント
有難いの反対は当たり前なんだとこないだラジオでやってて、なるほどと思い。万物を無限のものとして見る神秘主義がそこにあり、かつ平易な言葉で綴られていていいと思いました。
この詩の気持ちはとても人生を肯定的に捉える穏やかで優しくも強い力を感じます。ありがたや。
りゅうさん
目に映るものが語っていることがある気がします。時にそれを詩にしたくなります。
あぶくもさん
弱さのある自分は、肯定的な思いをつよめて日々を歩みたい、という感覚で書きました。
いただいた感想にも、ありがたや(^^)
さまざまな あたりまえのことに「ありがとう」「ありがたや」と感謝をする、感謝ができる「僕」がすてきです。
そのなかでも個人的には、「この詩を書くペンを作った人に」(感謝をする)という一行が、特に好き。
「この人生に/ふかく頭(こうべ)を垂れる日まで」というのは、一般的に言いかえると「死のその時まで」ということでしょうか?それが何にしても、その姿から深い人生の感謝の姿を思わせます。そして、この詩の最後のほう(ラスト2連)で、この詩がなんとも味わい深くすてきに(感謝の)着地をしていると思います。
剛さん、すてきな詩をありがとうさま。拝礼 (^ー^)
すてきなトイレットペーパーですね。そこに気づき、詩作される服部さんも。(^_^)
こしごえさん
ペンを作ってくれた人への感謝は、確かに大事な1行です。
ラスト2連は、詩の始まりからすると、作者的には意外な着地になりましたが、大事な箇所です。
読んでくださる人の自由ですが、こしごえさんの感想は的を得ています。
長谷川さん
ありがとうございます。 詩は、日常のあちらこちらにあることを思います。