友川

友川への幻想はハイライトの煙と共に消えていった

無残ですら美であると教えてくれた
ひとりの飯の寂しさを教えてくれた
訳のわからん気持ちを怒鳴っていた
訳のわからん絵を描いて売っていた

友川、そんな友川とおさらばした俺は

人間を辞めるために
ブレーキのない車輪で夜へ急ぎ
人間を諦められずに
月がけちらされた後の朝を歩いた

海には空が沈んでいて
空には海が浮かんでいる
眺めることしかできなかった
それは友川から教わった空だった

投稿者

茨城県

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