砂丘

椅子の気配
水路の抜け殻は
朝屑になる
地図だけの
詰将棋を終えて
歩道の色に
傘を落とした
外周
その抜け道

地下鉄に乗るよ
その言葉で
撤去される団地
等間隔の肋骨が
微かに軋むと
清々しい汗は
改札を抜け
昆虫の肩を叩く

月の片隅で
出会っていたら
唇は何も
呟かなかった
夜明けの待合
ただ一つの散髪が
息絶えていく
掌に残るのは
取り止めもない
ただの砂丘

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