あそびあい
他人じゃなくなる方法は
目を合わせればいい
対岸へ行ってみたいと
夏のワンピースを着て
あなたを誘った
川面に色とりどりの
飛び石が浮かび上がる
どこまで続いているのか
先は見えない
秋、冬、春ー
季節を一巡したなら
きっと
夜の隅田川に映るライトアップ
まとわりつくようなぬるい暗闇
すれ違いざまの視線
あなたが振り返ってくれた日
満開の桜と公園のベンチ
質問と答えのひとつひとつ
眩しく反射する緑
祝福のように降り注ぐ
早朝のひかり
あなたの足取りはいつも軽やか
波紋は等間隔の同心円を描く
わたしも真似して
同じ石を踏んでいく
(わたしも
あなたみたいに
なりたい)
ふと
思い出したように振りかえり
安心した様子で
進んでいく
てをつないで
ちゅうもして
だきしめて
背伸びをするから
先は見えなくていい
対岸へ行きたかったことを忘れて
他人に戻る方法も忘れて
ただ
遊んでいられれば
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