無題3

僕は想像する。誰もいない真っ白な町を。ひとりだけで歩く僕の姿を。
あらゆる意味が失われた場所。名前を持たない町。誰にも知られることのない…けれど、僕はそこに立っている。
いつから存在していたのだろうか…それすら思い出せないほどずっと昔からここにいた気がする。
意味も色彩も失われ、ただ存在するだけの町。ここにあるものといえば、すべてを照らす白い光だけだ。これだけが意味を持っている。
すべての白さを際立たせるために…すべての無意味さを照らしだすために…。
僕も光を浴びる。真っ白な僕だ。この町と同化したような白い僕。誰にも知られることのない僕がいる。

投稿者

香川県

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