夢十夜 ③
父の会社に泥棒が入ったというので
夜中に起こされ父の背中におぶさった
東の空に紅くて大きな月が登っている
黒猫が急げ 急げ!とせかしていた
下り坂をどんどん歩いても月は紅いままだった
父の歩みが遅いので
ぼくが父を背負っていた
黒猫が急げ 急げ!と急かすので
走りに走りに走った
父はすでにいなかった
会社に着くと
随分遅いな! と叱られて
ぼくは父になっていた
応接室のソファーに寝ていたぼくに
警察官がなめ茸の瓶詰をくれた
父の会社に泥棒が入ったというので
夜中に起こされ父の背中におぶさった
東の空に紅くて大きな月が登っている
黒猫が急げ 急げ!とせかしていた
下り坂をどんどん歩いても月は紅いままだった
父の歩みが遅いので
ぼくが父を背負っていた
黒猫が急げ 急げ!と急かすので
走りに走りに走った
父はすでにいなかった
会社に着くと
随分遅いな! と叱られて
ぼくは父になっていた
応接室のソファーに寝ていたぼくに
警察官がなめ茸の瓶詰をくれた
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