故郷
団地に風が吹く
床屋のおじさんが
大きな欠伸をする
口の中で夏が過ぎていく
金魚鉢が宇宙を漂っている間
友達の一人は
セメダインでおかしくなった
ベランダの無い人が
ベランダを買い求めて
列に並んでいる
ひまわりのまま眠る
午後は幽霊になる
団地に風が吹く
床屋のおじさんが
大きな欠伸をする
口の中で夏が過ぎていく
金魚鉢が宇宙を漂っている間
友達の一人は
セメダインでおかしくなった
ベランダの無い人が
ベランダを買い求めて
列に並んでいる
ひまわりのまま眠る
午後は幽霊になる
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コメント
私の団地は 幽霊団地です。 床屋のマスターは 脳梗塞です。 今は故郷もそうです。
面白いですねー
真夏の午睡のようですね。不思議な魅力ある作品です。
様々な色と匂いと想いが満ち溢れている故郷。
夏の朝はほんのりセメダインの匂いがします。
暑さとか、匂いとか、味とか、一気に懐かいものが押し寄せてくるようでした。
並ぶのは苦手ですがベランダが
欲しい気持ちに共感します。
タイトルが緩効性肥料のように沁みてきました。