雨の日のトカゲ
わたくしが潜在する地面の上に出て
確たる検証をすることもなく
曖昧な言葉に疲労するのは、いわれなく
ハレーション、いわくいんねん
罪人の腱鞘炎、ケンタウルス座の投げ槍選手権
おおもとは常に、オクタビアヌス
ぼうぼうたる流しそうめんの火縄銃であろう
たじろぐ彼等の要望書に書かれていたのは
この日の雨の甘くさらに甘くあれかしと
わが舌、べろ、したべろめ、つんとして
交感神経さらに不幸交換真剣にして
よどみなく、我等のシナゴーグ
ロンドン塔へとシャリンバイする
セグロツバメの背に乗って親指姫は腹から笑う
わがはらから、わが通達する死の通信使節たちよ
雨のかぶりふり、あめじゃで、あめじゃで、降り尽くし
この界隈にどしゃぶりの
ヘクソカズラは咲けりと言うか
安穏の暗澹のアンノンの頃
わたしはこの葉から地面へと降り立ちて
泥かぶりまたしても泥かぶり
パレスチナへと行きますよ
この雨の中、わたくしめは行きますよ
裸のわたくし
どんと雨降れ
どんと雨降れ
行きますよ。
コメント
カナヘビのしっぽをほしがる子たちよ、サラマンダーの火炎というもの、熱くてさわれぬ、眼をひきだして、五月の雨で洗いたい。コメントありがとうです。
読ませていただき気持ちが温かくなりました。トカゲという無防備な裸の小さな存在がマイナスなイメージの多くのものを味方にして洗い流してくれるようで、「どんと降れ」という心強い言葉とともに、ほほえましく幸せな気持ちをいただけるようでした。
@ザイチ
さんへ、コメントありがとうです。トカゲたちには信頼すべき何ものかがありそうです。その信頼がわたし自身に発するものなのか、それともこの雨に降られるものなのか、さっぱりと知れないのですが。