心感デッサン16

心感デッサン
2024.5.2
by frogmorton  

歯車 壊れ 硝子の 向こう
 富士すら 霞んで 見えないのだ

レンズには 入らない
 もっと 上に 漆黒鳥 太陽へ

貴方を 牢獄に 入れ
 俺すら 金網に 絡まり

でも
  『愛してゐる』

綿毛が 春風を 飲み
 初夏を 告げる 時

(俺は、独りぼっちに、成るのであろうか…)

行き交う 生き物は
 誰も 本性 を 知り得ない

知り得た者は
 俺を 砕き 又、 相手を 挫き

祖母は 言った
 『三年後に、迎えに来るから』

独りを 好む 者
 独りを 怖がる 者

陽射しよ 昨日まで 泣いていたのに 何故 今朝は 笑う

移ろう 波は 海から 懺悔し
 平野の 山々 まで 飲み込むのだ

俺は 耳を コルクで 塞ぎ
 口は まるで 蝦蟇口の 様

群がる 蟻に 喰われる
 さっきまで 脳ミソを 囲まれ

暗雲が 堕ちてくる
 皆 恐れ 散ってゐく

そうして 壊れていくのだ
 死を 待たずして

“分けあった 夕食
 眠り の 祈り”

孤独とは、 各々持っている 闇
 俺は いつか 渦巻きに 敗ける

勝者も 弱者も 無い
 砂漠に 放り出される

左右見ても 砂ぼこりに 消され
 牛の骨だけが 其処にあり

無機物 無機質
 飛び交う 蝿に 涙 落とし

俺が 立つのは
 生死の 狭間

心配 無用
 死してでも 地獄から 蘇り

発白鳥を 見ては 泣くだろう

其が ほんとうの 魂の、
  『孤独』だ

    
     

  

        

 

  

  

投稿者

東京都

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。