心感デッサン19
心感デッサン
2024.6.14
by frogmorton
“懐かしき 場所に 新天地 求め”
幼き頃 祖母と 愛でた 紫陽花は
甘く キラキラ 輝いてゐた
今では 視覚 ですら
辛く 苦き 味がする
微睡みが 常に 身体中
脳内 取り憑くのだ
腹の中 空気が 蠢く
サイの目を 振るように
左足か 右足か
脇道を 通る 又は 大通り
暑い中 黒々 ガタガタ やってゐる
八重の 三日月 が 光り
雨の日 夜 現れる 男の子
膝を抱え うつむき
近づくと 姿を 消し
其処には 痛々しい 花が 添えられ
出窓に お客様が 時々 訪れ
台所には 女性が 立ち
マーガレットの 季節
三大欲求は『睡』だけ 残し
去った
わたくしの 唯一 幸福 は
心地よい 膝枕 だ
それを 取り巻く 空気感
まったり 自然に 流るる
歩くとは ほんの 見過ごす 小さき 物を
発見 出来る と 言うこと
鳥の 糞 の 形
せせらぎ 小波 泡 湧きたせ
炎天下に 負けぬ 迷い蟻 の 底力
冬の 残り火 カサカサ 落ちて
此れから 忙しい 未来が 始まる
風来坊 も 終わりを 告げ
奇妙な 天候が 呼び掛けるが
斜陽が 眩しく 射した
あの 夕暮れ を 忘れない
誰もが 等しく 浴びた
彼の人 も 見たであろう
決意 の 陽射しを
わたくしは 眼にて
焼き付けた…
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