魂返し

醜女の 横顔に
貼り付く 蚊の
節足の 斑らを
胸に 継ぎよる
傍らで 夏風が
やらしく 吹き
鈴鳴り 響いて
やや 涼しいか
午睡は 淫夢で
涎の跡が 畳に
染みて もうて
ふと 目に入る
紫陽花 葉の上
蝸牛の殻 から
伸びる 角にて
未だ 謎めいた
日々の 苦しみ
その訳を 知り
線香の 爆ぜる
音に 酔いしれ
想い出 何処か
置き去り 空に
ほなら いこか
一緒に いこか

投稿者

大阪府

コメント

  1. 風鈴の下で揺れてる短冊のようやねーめくるめく情景やめくるめく情感やはち切れんばかりの情欲や無常や諦めや達観や…や!や!や!…なんちゅーかお互い長く生きてまいりやしたねーと…小生のとこの風より乾いた風が吹いてる感じがしますねー(小生、良い読み手でありたいとは思っておるのですがここはこーでこうなんだよねー的なこたぁムリゲーなのでご容赦!)

  2. 十種さんとショウくんのやりとりを見に来ました。楽しみにしてます。

  3. 久々のトノモト節!
    余白に螺旋っぽく煙が立ち上るような。
    私は遅れて来た新人みたいなものですが、蚊帳の外からですが20年以上ぶりの邂逅みたいなのを眺めるのもなんか楽しいです。
    ほなら 行こか
    一緒に 行こか
    の、最後が良くて好きです。

  4. 私はなぜか余白に蛇が見えました。空に登っていく龍でもいいんだけどなぜか蛇なんだよな。

  5. 絡みつくように夏が誘惑してきます。
    イイネ!

  6. 魂返し、というタイトルと詩本文の絶妙なことよ。

    やっぱり 魂は お空へ行くんですよね。うん。
    勝手に自由に、魂のことを自分なりに思う(想像する)と、宇宙にも魂みたいのがあって、生きものや物体の魂は最期には、宇宙の魂と融合するんじゃないかって、小学生みたいな夢を見ています。

    この詩の風光が情緒豊かで深く、私のこころをころころころろん、と拝読してて嬉しくなる。ああ、すてきです♪☆^^

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