映画館の夢

夜を見つめていたよ
死ぬまでのこと

美しく生きるため
とぶらえた街
君は激しく泣いて
水槽満たした

映画の始まり
音楽が流れれば
いつか見た夢のよう

あなたが映画ならば
最後のエンドロール
あなたを見つけた
楽しげな讃美歌が
エデンの底へ響く

荒んだ時計が
犠牲を集める
青く咲いた光は
時計を刺した

古ぼけた映画に
オルガンが聴こえた

交わる空気が僕達だったら
あなたと気化する

楽園の果実が割れて
落ちる君を笑っていた

あなたが映画ならば
最後のエンドロール
あなたを見つける
映画のラストあなたは
透明な痛みで呼吸を満たしていた

まだ少し青い頃の思い出

独りの箱の中
音響と光照らされ
「あなたのことは忘れない」
そんなセリフが聴こえて
羊と共に目を覚ます

静寂が飛び交う映画館
一番近くにあった遠い思い出
君に恋をしていたあの日が
映し出される

鮮やかな映画
美しいあなたが青く照らされ
音楽と共に映る
僕のための映画

黒が映える白のあなた
「また、会いたい?」
そんな甘いセリフに
今は映画の中の君へ
「会いたいな」
って返す

もうすぐ
この映画のエンドロールは
二人の名前で終わる

投稿者

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。