マジェンタ
シリカゲルと言う人の言葉とともに
アンモニアが揮発する
飛行場の一部でたくさんの蟻が
申し出と到着便にしたためた返し文
ニアミスのあとでは、ほのくらいシミーズの神が憂う
ほぼ裸体のほぼ裸心の
交差する人力車
けしたまえ、すみやかに、毛槍を高くつきあげて
さまざまの法則で、主題ははりさけている
河内のうすくらい平野部で
泣きみそのぼうずがとちくるう
叫びと憂患とシベリウスの透明くらげ
そして静かに園地の水辺へと
そわか風がふき、たれぞ耳にきく、夕刊少年の
汗とニジマスは空色に到達する
やれやれと腰を下ろした君の右手は
しわくちゃで七色で放心で
でなければジャマイカの船で帰郷する男たちに
タスマニアデビルの声で競わせて
さらには公開の処刑でまどわすのだろう
しかもその後ではカクテルパーティが待っている
うしろででドアをしめて
かやぶきのビルの一室へと睡眠するむこうずね
このような課程で、このような植字工で
ミルク工場はさわがしいのです
アクションスターの立ち上がる決断の時
その色はマジェンタ。
コメント
この詩の最初からリズムよく拝読できました。
最終行の
その色はマジェンタ。
というところで、一面がマジェンタに染まりました。最後の句点も効いています。