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蛾が飛び込んでくる
我の耳の穴
蜜はあるのか
我はあまいか
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「ドーナツの穴のところだけください」
「かしこまりました」
店員さんはドーナツを作り、
出来上がったドーナツを置いて120円請求した。
私がドーナツを取ろうとすると、
「あ、いけません。穴のところだけお持ち帰りください」
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なにもないということを思い知るためにドーナツの穴を見つめ続ける。
穴の中からドーナツの妖精が出てくればそこに世界はあるということであり、涙が出てくればそこに悲しみがあるということだ。
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「彼らはなぜ辛そうなのですか?」
「穴により痛みと苦しみを与えられているからです」
「何の罪を犯したのでしょうか?」
「いえ、何も罪は犯してはいないでしょう」
「では、なぜあのような罰を受けているのでしょうか?」
「自らの歯の手入れを怠ったからです」
「ああ、それは恐ろしい……」
写真1・2・3:https://pixabay.com/ja/より
絵4:NEKO https://x.com/C18No3
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