芙蓉の告げる

白く高い空が
首をたれて
青の液体をたらす
ひきさいて
ひきさいて
迷いの無い飛行、蜻

呼ぶ声を聞いて
芙蓉は申し合わせをすませる

ここからが秋のはじまりだなんて
何者にもわからなかった

ひるにかすんだよるの宇宙
薄い影をたなびかせる有明月は
窓についた指紋のよう

投稿者

栃木県

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