アポロンの儀式
精米所の塗炭屋根に
抉り捥ぎ取りシ
鮒の眼、投じましテ
積乱雲がとぐろを巻いテテ
鮒の眼、抉レ痕に
ギザ十、埋め込みましテ
鮒の紅い鰓が、泡立つテテ
此のアポロンの儀式は
少年達の
ひと夏の密かな愉しみなのだ
さうダさうさう、
鮒の眼は、
高熱の塗炭の上で溶けテテ
白濁したレンズ部分に
少年達が
逆さま
に映つていた
この一部始終を
高い処から
鮒のやうな眼の女と見テテ
そして
こう思つたのである
夏はこれだからうつくしい
精米所の塗炭屋根に
抉り捥ぎ取りシ
鮒の眼、投じましテ
積乱雲がとぐろを巻いテテ
鮒の眼、抉レ痕に
ギザ十、埋め込みましテ
鮒の紅い鰓が、泡立つテテ
此のアポロンの儀式は
少年達の
ひと夏の密かな愉しみなのだ
さうダさうさう、
鮒の眼は、
高熱の塗炭の上で溶けテテ
白濁したレンズ部分に
少年達が
逆さま
に映つていた
この一部始終を
高い処から
鮒のやうな眼の女と見テテ
そして
こう思つたのである
夏はこれだからうつくしい
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コメント
テテテテ、テテテ、テーレーですね。
少年期の無慈悲でおどろおどろしい遊び（儀式？）の濃密な描写が素晴らし過ぎる。
人生を四季に例えるなら少年期、青年期はまさしく夏でしょうな。狂ったような暑い夏。同時に狂気を孕んだ夏。死とは正反対の生命力。しかし命あれば死もある。それは一対だ。青少年の命の象徴であるアポロンと死んだ鮒の対比。