エーデルワイス

反復する呼吸
少しの重さ
ありふれたことなのに
落下傘だ、と
二人して笑った

微熱の名残りに
わたしちが寝転んだのは
芝生の庭だったかな
覚えたての呪文のように
何度も
エーデルワイスを歌った

いつか来る終わりにばかり
気を取られて
やがて来る始まりには
無邪気に気づかなかった

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コメント

  1. 呼吸するという何気無いこと。少しの重さ。
    私は、数年前に、肺に穴が空く病気で肺の手術をしたことがあります。手術は成功して、それからも普通に呼吸が出来ています。
    普通に呼吸ができるということの ありがたさ。
    この詩の第一連を拝読して感じるのは、呼吸だけではなく、こうして、普通に生きていられることのありがたさを思います。

    そして、最終連の切なさに、やられました。この切なさに感じ入ります。

    無邪気に気づかなかった
    無邪気に、というところが 特に しみます。

  2. 憂いもエーデルワイスに打ち消されてしまうのか
    それが「ゴンドラの唄 」で無くて良かったと思う

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