By Myself

躰中のやりきれなさを振り起こして
もう 誰もあたしを止められない
誰もあたしを縛りつけられない
あたしは あなたじゃない
他の誰でもない
あたし自身に変わってく

理性で抑し殺して生きるのはとっても窮屈だわ
聞き分けのいいやさしい女になんて
悪いけどあたし なれそうにないの
誰かのために自分を犠牲にするなんて
そんな生き方はもうやめにしたのよ
あたしはただ 湧き上がるこの感情に素直でいたいだけ
あんたが探しているのは いつもニコニコ笑って
あんたの云うことなんでも聞いてくれる
要するに 自分に都合のいい女なんでしょ
そういうのがお望みなら 
悪いけど他を当たってくれないかしら

同級生だからって 友だちなんかじゃなかった
彼女たちはただ あたしを笑うだけだったわ
先生たちにも嫌われてたの
学校はいつも あたしに冷たかったのよ
でも 別に気にしちゃいなかったわ
ひとりでいることには慣れていたし
教室を移動するのにも トイレに行くのにも
誘い合って行くクラスの女子たちが
なんだか あたしには気味悪く映っていたの
クラスがガヤガヤ騒いでいる中 あたしはひとり
教室の片隅で 耳にイヤホンをつっこんで
太宰や寺山や坂口安吾なんかを ひたすら読みふけっていたわ

孤独だからって 淋しいっていうのとは理由が違うのよ
淋しいのは たとえばその瞳の中に その態度の中に
静かな 強い拒絶の感情を読み取ってしまうことよ
これ以上入ってくんなって 薄くて頑丈そうな壁
だからそれ以上 踏み込めない
あたしの思ってることがあなたに伝わらない
あなたの傷みが あたしには解らない
そういうのって泣きたくなるわ
あなたはそれを知らなすぎよ
幸福な人ね あたしそういうの うらやましい

躰中のやりきれなさを振り起こして
もう 誰もあたしを止められない
誰もあたしを縛りつけられない
あたしは あなたじゃない
他の誰でもない
あたし自身に変わってく

投稿者

東京都

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