ステイション

ステイションがあって
その中にもう一つ
小さなステイションがあった
よく見るとそのステイションは
生前の父だった
 
ステイションは小さかったから
出発する列車も
到着する列車もなく
ただ一日中小さくあり続けた
 
代わりに蝶々などの虫が
時々止まった
本当はそれっぽっちの
花だったかもしれない

投稿者

コメント

  1. 父親に対する畏怖の思いでしょうか
    生きていた時には、あんなに恐れていた存在だったのに
    今、こうして改めて思い返してみれば
    父親もただの小さい、弱い人間だったのかもしれない
    或いは、今の自分が、あの頃の父の存在より
    遥かに大きく成長出来ているから
    そのように感じるのかもしれないですね

  2. @雨音陽炎
    雨音陽炎さん、あたたかいコメントありがとうございます。

    父は身長160cmくらいの小さな人でした。コツコツとやるタイプで自分にも他人にも厳しい人で、親戚の中にはそれを嫌がる人もいましたが、公平で中立な人でした。
    先日、妻の母(私からみれば義母になります)が、たもつさんお父さんな神様みたいな人だった、と言ってくれて救われた気がしました。
    私なんて父から比べればまだまだ全然駄目な人間ですが、小さくても良いから花を咲かせてみたいな、と思いました。

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