旅
魚が目を閉じて
眠っている
あるはずの無い瞼は
わたしだった
わたしは魚に
たくさんの夢を見せた
空を飛ぶ夢
海深くまで潜る夢
家族と楽しそうに笑う夢
ふと目が覚める
わたしはいつもと
同じベッドにいた
瞼がうっすらと濡れている
遥か遠くの海まで
瞼は旅をして来たのだった
魚が目を閉じて
眠っている
あるはずの無い瞼は
わたしだった
わたしは魚に
たくさんの夢を見せた
空を飛ぶ夢
海深くまで潜る夢
家族と楽しそうに笑う夢
ふと目が覚める
わたしはいつもと
同じベッドにいた
瞼がうっすらと濡れている
遥か遠くの海まで
瞼は旅をして来たのだった
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コメント
全体を通してからの 最終連が すてきです。
瞼がうっすらと濡れている
遥か遠くの海まで
濡らしたのは 涙 でしょうか?
それで 海 まで瞼は旅をして来たというのが、とてもいいです。
旅、というタイトルも効いていますね。
自分が魚の瞼であるという着想の妙、魚が眠っていると思いきや実は自分が眠っていた(ようである)こと、そして自分の瞼には遥かな旅の記憶が残っていること。全体的に新鮮ながらもどこかしら懐かしい感じを抱きました。
@こしごえ
こしごえさん、コメントありがとうございます。
人生はよく旅に例えられますが、人生が旅であるならば、とどまる、という決断もまた旅なのかな、とふと思ったりする今日この頃です。
@佐藤宏
佐藤宏さん、コメントありがとうございます。
日々の生活のなかで、ふとした何かが懐かしく感じられること、ってありますよね。
わたしたちの知らないところで瞼は旅を続けているのかもしれません。