時過ぎて時来たる

ニンゲンどもがえへらえへら言うておるうちに
干潟のビーナス貝はカラスに食われ酒蒸しならず
かつて引っ越し魔であったヤドカリは終の住処のローンの繰り上げ返済に躍起になっておる
庭では子らに散々ピーピー鳴らされた挙句残ったカラスノエンドウが真っ黒になって弾け飛んでおる
のっそりしているうちに蝸牛は干からびておりエスカルゴならず
森では分解者たちが落ち葉の下でせっせとこの星の発酵と腐敗および消費と生産を繋いでおる
波打ち際では腐った流木の小さな穴にフナムシの赤子が誰にも気づかれずに出入りしておる
砂浜の紋様は波と風により丸い盛土やそこかしこの穴は蟹たちの仕業であるがところどころにギャルの付け爪を剥がしたようなマテ貝の殻がささくれ立っておる
適時性とはだいたいがそんなもんである
そしてニンゲンどもはと言えば
アイも変わらずえへらえへら言うておる

投稿者

千葉県

コメント

  1. マクロからミクロへ、ミクロからマクロへ、植物名は詳しく表記したいよねー僕はいつもえへらえへらしていますw

  2. 人知れず、それらのことは起きていますね。
    それでも、ニンゲンどもは、ね。アイ、愛?も変わらずにおる。ふふふ。

  3. @三明十種
    さん、コメントありがとうございます。
    私もこの詩はえへらえへらしながら書きましたー。

  4. @こしごえ
    さん、コメントありがとうございます。
    人知れず起きていることの方が多くて実は我々の体の(内臓の)中や皮膚の表面で起きていることさえあまりよく知らないもので、お陰様という言葉の深さを思ってみたりしています。えへらえへらしながらですけれども。

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