明朝のスノードーム13

チョーク雨音合奏会。先生が板書する音を聞いて雨だなあと思った。大雨と板書の音ってナイスコンビネーションだね。じめじめした教室と気怠げなクラスメイトのあの感じ、最高に青春じゃん。板書って愛なんだね。制服ってだけで見極められる世の中も体操服が香らす良い匂いも全部全部みんなが知ってる青春なんかじゃないから。と地獄を見ても今日を笑い合ってる。ほんとうはそんなやさしさがあれば良いの。良いのに。たとえば、嫉妬相手と想う相手の名前が同じ小説でとなり同士の章で存在してるという皮肉。たとえば、あの子は気に入られて、私はやさしさをもらえないという嫉妬。これも全部全部「青春」なんてきれいな言葉で片付けられればいいのに。マスクを外した顔でさえ非日常になるようなこんな世界なら内側ぐらい綺麗であればいいのに。
(隣に座ってるあの子は精神薬も通院費もいらず体が動かない日も文字が読めない日もなくて消えたいと願う夜もないなんてどう考えても不公平だよ。あの時あいつに殺されてればよかったな、あの日ちゃんと完遂できていたらよかったなと思う時は私にだってあります。君に分かりますか?と問うのは残酷ですね。ごめんね、これはヤケクソです。)
こんな夜はやさしくないね。
かといってやさしい夜はこわいです。すぐに壊れることを知っているから。
「いなくならないよね?」
そんな儚い声にずっと、ずっとずっと。
君が言いかけた言葉ですら、私は奥歯で殺してしまうのですね。
苦しまなくていいよ、の世界を私は知らない。微ゴスロリ風ワンピースで鉄棒前回り5回連続して内臓を痛めつけるような気持ち。何もかもが抗不安薬になってくれない。

投稿者

福岡県

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