夕食一景

溜息から淡い夢が零れる
親しく食器の触れ合う食卓
夕べのひと時を味わっている
穏やかな安らいの夕べ

出端を折られた漆黒の闇
部屋の隅に縮こまったまま
弾む会話に傾く耳
夢を落とした憂いの主は

知らず知らず顔を上げ
邪気の無い問いに応え
瞳は輝きに身をゆだねる

闇はそろりと首をもたげ
あの人の背後にそっと立つ
窓辺には仲間も翼を休めに降りて来るのだが

投稿者

茨城県

コメント

  1. 溜息から淡い夢が零れる
    なんというか、切ない溜息ですね。
    その中で、
    夕べのおだやかな食卓が、引き立ちながら、なんだか心地好いです。

    闇はそろりと首をもたげ
    あの人の背後にそっと立つ
    この闇が、そっと立つ気配を優しいと感じます。
    私は光も好きですが、闇も好きです。

    窓辺には仲間も翼を休めに降りて来るのだが
    この詩の想像をふくらませるような終わり方に、この詩の深さを思います。

  2. @こしごえ
    さん
    コメント、ありがとうございます。自分は食器の触れ合う空間が落ち着きます。
    自分が大食い(?)だからかもしれませんが、夕食をとる場所はなごみます。
    この詩はそのあたりをイメージして書き始めました。
    が、どうして闇やその仲間(?)が出て来たのかは、よくわかっていません。。。

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