蛍と彗星

蛍が飛んで
わたしは彗星になった

わたし、すいせいに、なったよ

言葉なんてまだ
よく知らなかったけれど
許された気持ちになった

彗星なんて、つまらないわよ
母はそう言って
わたしの手を引いた

彗星なんて、つまらないわよ
もう一度小さな声で言った

蛍はほんの少し生きた
今頃、母は遠くの施設で
天井と壁ばかり見てる

投稿者

コメント

  1. 切ない。
    でも、その のっぴきならない切なさが、この詩を美しくしているのだと感じます。

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