木枯らし紋次郎

地上に花
天上には月
あんたは何の為に生きてんだ？
だからまだ死んじゃいないから
生きている
死ぬ時が来たら
黙って死ぬ

緑の道を行き
人々が微笑んでいるのを見た
皇居の周りを
休日なのに走る人達を見た

例えようのない
無言の圧力にさらされ
押しつぶされちまいそうな
電車の中
疑問を持たない様にと
一斉にスマホをいじり倒し
手持ちぶたさの時間を
おまえは
やり過ごそうとしている

春になれば向かって来る電車に
飛び込んでしまう人もいる

俺達はどうして
生まれてきたんだ？

時が経てば
見つけた愛は憎悪に変わり
もはや
なるべく関わりを
持ちたくはなく
怒りで体中の血液を
ドス黒くしたまんま
痛みと引き換えに
誰にも言えない
自分だけの
快楽を探した
金があっても愛は買えない
誰だってわかってんだ
そんな事は

地上には花
天上には月
あんたは何の為に生きてんだ？
だからまだ死んじゃいないから
生きている
死ぬ時が来たら
黙って死ぬ

コンクリートジャングル
灼熱の砂漠
目をつけられない様に
人生から隠れろと
強要される
お前みたいな奴は
生きてる資格もない

わかってんだ
誰だって
自由になりたいって事だけは
わかってんだ
誰だってたった一つの
小さな愛を
守りぬこうとして
いるって事だけは

目にするのは
悪いジョークみたいな
電飾で飾られた
血塗られた映像ばかり
ニュースキャスターは
言葉と言葉の間を
せまくして詰め込んで
誰にも関わりを持つことの
出来ない事をまくしたて
真実の向こう側で
鳴り響く
無音の形相

AHHHHH

地上には花
天上には月
あんたは何の為に生きてんだ？
だからまだ死んじゃいないから
生きている
死ぬ時が来たら
黙って死ぬ

あっしには関わりの
ねえ事でござんす

あっしには関わりの
ねえ事でござんす