夏草
する、音
しないわたしは
縁に腰かけて
何もない河川のように
留まるのだ、と思った
翌日のこと
長年飼っていた電柱が
遠くに行ったまま
帰ってこない
と相談された
残さず食べなさい
昔に言われた気がするけれど
何を食べてきたのか
記録もつけ忘れたまま
そのようにして
生きることすべて
夏草の続き
する、音
しないわたしは
縁に腰かけて
何もない河川のように
留まるのだ、と思った
翌日のこと
長年飼っていた電柱が
遠くに行ったまま
帰ってこない
と相談された
残さず食べなさい
昔に言われた気がするけれど
何を食べてきたのか
記録もつけ忘れたまま
そのようにして
生きることすべて
夏草の続き
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コメント
電柱収集家・電柱愛好家・電柱飼い主の僕にとっては嬉しいかぎりですねーこれを加味せずともこれは琴線にふれまくりな詩ですねーひと単語一行ていねいに扱われていていいですよねーなんてゆーかなー変に奇を狙ってない自然とこうなりましたよー感がしてねー現代詩ってなんなんだろねーなんて!
例えば「長年飼っていた犬が遠くに行ったまま帰ってこないと相談された」という文章でももちろん成立する詩なんでしょうが、犬ではなく電柱にした途端に見えていた景色がガラリと変わる、常識がひっくり返る、そういうテクニックが上手いね旦那!