周回軌道

これまでの人生
一体どれだけの分岐点に立ってきただろう
どれだけの選択肢があったというのだろう

もしもあのとき 違う途を選択していたら
いまとは違う生き方ができていただろうか

     目の前に巨大な壁がありました
     その先へ進んでいくためには 
     どうしてもその壁を越えないといけません
     しかし 運動神経皆無で高所恐怖症のわたしには
     とてもその壁をよじ登ることは不可能です
     果てさて 困ってしまいました
     近くにはしごのようなものはないかしら
     もう少し わたしでも登れるくらい低くなっているところはないかしら
     ウロウロ ウロウロ 右往左往と立ち往生ばかり
     そのうちに抜けられそうな場所を見つけ出します
     良かった助かった
     高い壁をよじ登ることもしなくて済んで
     これで先へ進んで行くことができます
     できるはずです

     その巨大な壁をうまいこと回避できた気になって
     壁の向こうのその先へ
     進んで行けてるような気になって

     あるとき ふっと気づくのです
     眼前には 相変わらずあの巨大な壁が
     まるで嘲り笑うかのごとくに立ちはだかっていることに

     ずっと抜け道をみつけた気になっていたけれど
     うまく壁を越えられた気になっていたけれど
     それはただ そんな気になっていただけで
     実はずっと ただその巨大な壁の周辺を
     ぐるぐる ぐるぐる
     廻り歩いていただけだったということに

もしもあのとき 違う途を選択していたら
違う人生が待っていただろうか
いまよりもう少しマシなふうに生きられていただろうか

わたしは思う
たとえどんなに いまとは違う途を選択したとしたって
結局まわりまわって
いまいる同じ場所に辿り着いているじゃないかって
たとえばそう あの巨大な壁の周辺を
ただぐるぐるぐるぐる 廻り歩いてただけだったように

それにこうも思う
人生って いろんな選択肢の中から
自分で選んできたようにもみえるけれど
けどきっと そのときそのときで
それを選ぶより他に方法がなくって
選ばされ選ばされてきた結果
いまいるこの場所に辿り着いたんじゃないかって

どの道この道 所詮は周回軌道

そういうのをだから
つまるところたぶん
運命って呼ぶんじゃないかってさ

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最後までお読みいただき、ありがとうございます

昔からよく考えていたことを
描きしたためた詩です

投稿者

東京都

コメント

  1. 最初から ずっと来て、最終行の「運命」という言葉で、うん、となりました☆

    ちなみに、私は、長い詩の場合は集中力などの関係で、あんまり読めません。すみません。^^;拝礼

  2. @こしごえ
    さんへ

    コメント、ありがとうございます
    この詩は、私が昔からずっと考えては結論づけていたことで
    だから、他の人にはもしかすると当てはまらないかもですが(^_^;)

    あと、こしごえさんはとても正直な方ですね(^^)
    わざわざそんなこと云わなくてもいいのに(^-^;

    ありがとうございました

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