心感デッサン32『一等幼稚園』

心感デッサン
2024.12.8
frogmorton 

『一等幼稚園』

風に なびく 草原に
 浮いて 出た 助言者
懐かしき 言霊 と 茶色 の 姿 

線を 辿る 枯れ葉 を 無下に
引き千切るように プツリ と消えて
瞬く 星 が 燃え尽きる 様
 
horo horo
3つの箱に 押し詰められて 
凍てつく流れに 小さく 丸まって 耐えてゐる

シベリア 抑留は 腐った芋を
 煮崩した スープ 一食
翌朝 目覚めると 友は 永眠していたという

長い 年月に 掘り起こす 赤い記憶 
瞳 に 色が戻る 
このような行いは 間違ってゐようか

此処は 一等幼稚園
 ぬめっとした 鯉が 絡まる
ソレイユ が 曲がった背中に 浸透し 心地良い

煙を 体内の 視神経に 馴染ませて
 三回 深呼吸し 宵に 放つのだ
二つの 平行黄色が 列 をなす 時間

もぐらが 呟く 死霊の 数は
 多々 知れない 銀河ほどに
眠っている 君も もうすぐだよ
一部になる

さ迷う影は 線路を 見てゐて
 恐ろしくなり 避けて通った
荷物は みな捨てて 逝こうと願う

優しい 老ゐた 眼差しよ
 天からの 光が 最期まで
無垢に 還る 道筋を 指し示すよう

私の 幸いを 懸けて 願う…

投稿者

東京都

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