076

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寒い季節になると
いないはずのあなたを
つい探してしまう

枯木立の向こう
ベンチの連なり
落葉を踏む音

いないはずのあなたは
寒い季節に紛れて
すぐにわたしを探し当ててしまう

たとえばハクセキレイ
一直線に走って
芝生広場の端で振り返る

たとえ翼を持っていても
飛ぼうとしない
理解不能の意固地さが

いないはずのあなたに
とても似ている

投稿者

東京都

コメント

  1. 最近、家の周りではスズメよりも目立つ気がするハクセキレイ。キセキレイやセグロセキレイは川の近くでしか見かけないのに、したたかです。
    「翼を持っていても
     飛ぼうとしない
     理解不能の意固地さ」
    とても共感しました。いないはずのあなたの存在感が強く感じられます。

  2. 素敵な写真とマッチした詩ですね。
    nonyaさんの作品群はそのまま画詩集となるような統一感を感じます。
    視線が優しくて、そして切ない。

  3. そうですね!あぶくも様のおっしゃる通り、画詩集を出されたら素敵だなと
    私も思います。どれも、いつも……心に沁みてまいります。
    こちらの作品も、この写真で「いないはずのあなた」に強く惹きつけられます。
    ものすごい余韻があります。

  4. @re汀尋 さん
    >コメントありがとうございます
    ハクセキレイは人との付き合い方をよく知っているようです。
    顔もそこそこ可愛いのでつい油断してしまいます(笑)
    小鳥界のスピードランナーであることは間違いないですね。

  5. @あぶくも さん
    >コメントありがとうございます
    画詩集は多少意識していますが、あまりこだわらないようにしています。
    縛られないで自由に書いていければ充分です。
    最近は写真に引っ張られてばかりですが、何かを感じ取っていただければ幸いです。

  6. @リリー さん
    >コメントありがとうございます
    いつも温かい言葉をいただいて、感謝です。
    写真を撮っていると、いつの間にか「いないはずのあなた」と
    対話していることがあります。
    近くの人には大きな独り言に聞こえるようで、びっくりされます(笑)

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