黒板の花
あなたが夕日の
真似をするものだから
わたしはすっかり
あなたを夕日だと
思ってしまった
ほんの少し
音を出してみる
それもまた
言葉だった
誰かが黒板に描いた
綺麗な花の絵を
消したことがある
散らずに消えていく
その花の名前を
わたしは知らなくて
今もずっと
知らないまま
カナブンとおしゃべりする
あなたにも見せてあげた
沈んでいく
あれは本当に
あなただったのだろうか
そう思うと名前すらもう
覚えていない気がした
あなたが夕日の
真似をするものだから
わたしはすっかり
あなたを夕日だと
思ってしまった
ほんの少し
音を出してみる
それもまた
言葉だった
誰かが黒板に描いた
綺麗な花の絵を
消したことがある
散らずに消えていく
その花の名前を
わたしは知らなくて
今もずっと
知らないまま
カナブンとおしゃべりする
あなたにも見せてあげた
沈んでいく
あれは本当に
あなただったのだろうか
そう思うと名前すらもう
覚えていない気がした
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コメント
学校に行ってた頃、毎回の授業の後に「黒板を消す係」?みたいのがありました。たしかそれは、毎日教室の席順に交代で行われていたような気がします。
遠い記憶です。
卒業式と解釈すると、花を消す側の立場を経験したことがあるのですが、なかなかの重労働です。
書くのもなかなか力の入れどころが違って大変です。
最後の連が美しくて感嘆しております。
沈んでゆく夕日、それはそこにあったものが消えてゆく象徴。消された黒板の花も。忘れられる人の名前もまた消えてゆく。記憶の水平線から夕日のように沈んでゆく。
遠い追憶のようでもありついさっきの出来事のようでもあり。そんな時空の絡み合いを感じました。
うわぁ、すげ〜良いですね
これは、本にできますね
いつもと同じ雰囲気の
ノスタルジックなファンタジーの
優しさの寂しさの
すっかり夕日だと思ったのかぁ
凄いっす
のってますね
@サーラ
サーラさん、コメントありがとうございます。生前、認知症だった父に、あんた誰だ、と言われたことがあります。最後の最後、やっと兄の名前からで呼んでくれました。今となってはよい思い出です。忘れることも忘れられることも、キラキラと輝く思い出になることもあるのですよ。
@こしごえ
こしごえさん、コメントありがとうございます。私の通っていた学校では日直さんの仕事でしたね。黒板消しのクリーナーなどまだなくて、ベランダでパンパンと二つ合わせて叩いていた時代です。
@たちばなまこと
たちばなまことさん、コメントありがとうございます。卒業式の黒板アートは消すのも大変ですよね。もったいない気もしますが、あの一時の儚さが良い思い出ですね。
@たかぼ
たかぼさん、記憶の水平線か、、、今考えれば当たり前なのですが、地平線や水平線って常に目の高さにあるのですね。つまり、人によって見えている水平線も違い。同じ物事でも、水平線に沈んでいく記憶は少しずつ違うのかもしれないですね。
@あまね
あまねさん、コメントありがとうございます。記憶や思い出になってしまえば、それらは同じ時系列に並んでしまうのかもしれません。
@那津na2
那津na2さん、コメントありがとうございます。夕日、ってノスタルジーをくすぐられますね。一日の終わりの儚さ、というより、あの一瞬の儚さが人の心を惹きつけるのかもしれませんね。イメージは絵本でした。
@たけだたもつ
たけださん
いやぁ〜絵本ですよね
絵本です!
素敵
一連目から吸い込まれるように読みました。終わり方も良いですね。
@那津na2
そういえば、最近絵本読んでないですね。今度、買ってみようかな。
@あぶくも
あぶくもさん、コメントありがとうございます。吸い込まれる、それは夕日の力かなあ。夕焼けを見ていると、自分が何かの物語の主人公になった気がします。