キミに棲むには
キミの前だとどうしても言葉が溢れ出てしまう。
ボクのことを常に知っていて欲しいから。
ねえ知ってる?
いじめられっ子だったけどボクは1人でなんとかして生きて来たんだ。
キミの前ではいつも笑っていたい。お願いだからボクの前から消えないで。
ボクの頼れるモノ達は、必ず何処かに行ってしまう。
きさくに話かけてくれた先輩は嫁をもらい土地を離れ
家に帰ると足に絡まりついて離れなかったクロは突然倒れて命を終え
幼なじみのKは親の事情で転校し
迷いを打ち明けられる恩師は胸と肺を患い灰になり
母や祖母にはキツく当たっていたが僕だけ何故かウマがあった祖父は寿命で逝
くべき河を渡り
大切なモノほど簡単に消える。
神が与えた試練なのだろうか。生まれもって背負わされた定めなのだろうか。
ねえ知ってる?
キミには話していないものね。
ボクがこんなに弱い人間だってこと。
キミが笑えばボクも笑う。ボクは決して泣かないさ。
キミの話を聞かせて。いや、いつも聞いてあげられなくてごめんね。
キミが笑えばボクも笑う。ボクは決して泣かないさ。
嬉しい時、可笑しくでゲラゲラ笑った時、映画で感動した時、キミに巡り逢えたことに感謝してる時に涙を流す以外はね。
だからお願い、ボクの前から消えないで。ボクの前では笑っていてね。
とにかくボクはキミに棲みたい。
コメント
他者とのいろいろな関係が重要なのが人間という生き物で、だから出会い別れがそれぞれに大きな意味を持たせる。
この詩のように人は絶えず別離を経験している。
けどそれを羅列することで依存を表している。棲むって依存がが濃くて怖いなぁ。
「キミ」をどう捉えるかで、作品のイメージが変わってくるのかな、と思いました。他者と捉えるのか。作者自身とも読めるかもしれない。棲む、という表現にドキリとしました。たしかに、怖い。
体調不良でしばらく休養していました。コメントありがとう。
そうだなぁ。愛する人の前では決して自分の辛かったことを表に出さずグっと押し殺している強いようでもろい僕自身なのか僕の理想像なのか…それは読まれている皆さんの感性にお任せしましょう。そこまでして愛している…いや、愛さなくてはならい「君」への恐怖を綴っているのかもね。
「君」だけではなく、「僕」の捕らえ方でも解釈は違ってくれんだろうね、きっと。そこまでして愛する人へ身を捧げる「僕」の弱さでもあるよ。きっと。