Zero

Zero

冬木立の
あそこにも、ほら、ここにも
小枝や枯草で
器用に編まれた小鳥の巣

夏には気づかなかった
見つけられなかった
人通りのあるこんな場所で
卵を温め、子育てをしていたのかと
驚く
今はもう、空っぽの巣
雛は無事に巣立ったのだろうか

来年もまた使うのかなと

もう使わないのよと
わたし

北風や雨雪でばらばらに砕け
地面に墜ちるだろう

最初から
無かったものだもの
もとの空っぽの空間に戻るだけ
空だから作れたの
木立の向こうは突き抜けた青
必要なら
誰かがまた新しく作ればいい

投稿者

北海道

コメント

  1. そうですねぇ。すこしちがうかもしれませんが、ゼロは、プラスにも マイナスにもなり得ますね。その物事が、この詩からよく伝わってくるように感じました。
    夫さんとのちょっとした会話が あたたかくて すてきです。

  2. 雲がドラマチックだと
    知る人の画です

    ありがとうございます

  3. 拝読いたしまして短いコメントを失礼します。
    琵琶湖畔の並木で、あまり鳥の巣を見つける事はありませんでしたが
    ただ気付いて無かっただけなのかも知れません。^^
    この写真と「Zero」というタイトルが、また素敵です!

  4. 自然の成り立ちをとても分かっていらっしゃるな、と思いました。
    読後感がとても心地よかったです。「Zero」というタイトルにも納得です。

  5. @こしごえ さん
    コメントありがとうございます。現れたり消えたりする不思議、でしょうか。会話がすてきと言われると、ちょっと照れますね。

  6. @那津na2 さん
    コメントありがとうございます。こういう雲にはなかなか出会えないので、とても幸運でした。

  7. @リリー さん
    コメントありがとうございます。タイトルは本当は「0」にしたかったのですが、それだとなぜか投稿できなかったので「Zero」にしました。タイトルをつけるのがすごく苦手なので、いつも悩んでいます。素敵といわれてちょっとほっとしました。

  8. @nonya さん
    コメントありがとうございます。自分が詩を読む側の時には、読後感の重たいものは苦手なのですが、自分が書く側になると、気を付けていてもなぜか重たくなってしまうという・・・・そんな中では、この詩は割とうまくいっている方なのかもしれません。

  9. 今度、良い写真撮れたら
    ぜひに、トップスライダーに応募ください!

  10. @那津na2 さん
    ありがとうございます。機会が訪れましたら、是非。

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