拝啓、中島みゆき様 vol.5 永遠の嘘をついてくれ
この曲は、みゆきが吉田拓郎に提供した曲なのだけど
ある夜、みゆきと拓郎が一緒に吞んでいるときに
拓郎がボソッと、自分はもう昔のような曲は描けない
引退も考えている、とみゆきに弱音を吐いたらしい
普段は他人に対してそんなに容易く弱いところを見せたりしないという拓郎
だけど何故かその夜、みゆきには自分の弱さを正直に見せることが出来たらしい
本人曰く、みゆきの曲を聴くといつも、あんた達何やってんの!と云われているようで
どうもすみませんでした、と正座して謝りながら聴いているのだとか
(まあ、ジョークでしょうが汗)
そして、あまり他人に曲を作ってほしいと頼んだことのない拓郎が
みゆきに曲を依頼した、という経緯がこの曲にはある
みゆきは拓郎の熱狂的なファンで、拓郎がデビューしたころからずっと聴き続けており
ポプコンだか世界歌謡祭だかに出場した際、審査員に拓郎が来ていると知るや
楽屋に凸しまうほどの追っかけだった
みゆきにとって拓郎は、永遠の憧れの存在であり
かつ目指すべき目標のような存在であったわけで
そんな人が、憧れだった目標としていた人が
いま目の前で曲が描けないと弱音を吐いている
この曲はそんな拓郎へみゆきからの、云ってみれば叱咤激励とでもいうのか
そんな弱音なんか聞きたくない
いつまでも憧れの存在のままでいてくれ、という切なる想いが込められた
猛烈なラブコールでもあったのだと思う
2006年のつま恋で、中島みゆきがシークレットゲスト出演してご両人の共演が実現
この時の映像(YouTubeで何度も削除されてはまた投稿されてる)
何度観ても胸が熱くなる
ほぼ誰かのライブに参加することのないみゆきだけに
この共演はレア中のレア、と云っても決して過言ではない
(後に拓郎はラジオでその日のことを、みんな俺を観ないんだよ、
あの白い服着た姐さん≪みゆき≫しか観てない、と嬉しそうに語っていた)
義理堅い拓郎は、みゆきに何度もライブのバックバンドに参加させてほしいと云ったり
夜会にゲスト出演させてほしいと云ったりもしていた
吉田拓郎でダメなら、デビュー前に考えていた芸名の入江剣名義でもいいから、と(笑)
誰にも気づかれずこっそりみゆきのライブで
実際、バックでギターを弾いていたこともあるらしい
ちなみにご両人ともにそれぞれのライブで
拓郎はみゆきの「ファイト!」を
みゆきは拓郎の「唇をかみしめて」をカバーしている
拓郎が引退前(といいつつ、現在も活動されてるが)の仕事に選んだのも、
みゆきの「世界が違って見える日」というアルバム中の
「体温」という曲への参加だし
ご両人の、音楽を通しての絶対的な信頼感というか
関係性がなんとも素敵で
ご両人のエピソードで面白いのが、
坂崎幸之助と吉田拓郎のオールナイトニッポンゴールドにみゆきがゲスト出演したとき、
坂崎も拓郎も、瀬尾一三さえもが「悪女」のサビ部分を歌えなかった、というのがあって
隠しておいた「あ」言葉がほろり~♪
おいた、のあとの「あ」の部分、間の部分が男衆にはどうしても理解できなかったらしく
ややこしいややこしい、と大わらわ(#^^#)
当のみゆき本人は、そうですかねえ、なんていいながら笑っていたけども
拓郎がそのとき、みゆきの曲は同じコード進行でも
符割が変わってるから面白い的なことを云ってたのが
とても印象的だった
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最後までお読みいただき、ありがとうございます
今回はみゆきが吉田拓郎に提供した曲
「永遠の嘘をついてくれ」についてのエピソードなんかを語ってみました
知ってる方は知ってると思いますが
拓郎がライブで「ファイト!」をカバーしたとき
この曲を知らないファンたちは
てっきり拓郎が作ったものと信じ込んでいたらしい、です(#^^#)
コメント
みゆきさんと拓郎さんとの そういうエピソードがあったんですね♪
今回も、みゆきさんの 貴重な内容の散文詩を ありがとうございます♪☆^^
拓郎さんも、みゆきさんも、初期の頃からリアルタイムで聴いていました。2006年のつま恋での、お二人のコラボはよかったですね。「永遠の嘘をついてくれ」。お互いに、リスペクトの想いが伝わってきました。あの時の、みゆきさんは、カッコよかった。
「永遠の嘘をついてくれ」のライブ映像は、今、You Tubeで観られますよ。消えたり、復活したり、ですね。