プレアデス
あなたにとってのひと刹那が
わたしにとっての100光年かもしれません
わたしの声がとどいていますか
あなたの風景の一小節として
夜はきらいです
たくさんのことを思いだすから
恥ずかしくて
悔しくて
憎らしくて
泣きたいのに泣けないから
空にあなたを探します
ねえ
聞こえていますか
あなたにとっての100光年が
わたしにとってのひと刹那であるように
後悔と嘘が入り混じった
わたしの歌は聞こえていますか
あなたの鼓動はわたしの呼吸
横たわる静けさに耽る
ちいさな午睡のひとときを
引きちぎっていくのはわたしという
けだもの
仰ぎ見る空は今日もかなしいくらい青くて
見えるはずもないあなたの姿を求めて
途切れ途切れの飛行機雲みたいに
わたしは歌うのをやめないのです
コメント
最終連だけでも一作品かと思うくらいのパンチ力(ん?この表現合ってる?)があるのに、冒頭からそこに至るまでの距離の取り方が絶妙だなぁ。
宇宙人への愛?かと思いきや、もっと広い人間愛かなあと思います。どこかで生きてる者も、死んだ者も、未来の誰かも、過去の誰かも、すべて包み込むような。
恋歌、というふうに読んでみました。空という広い対象に向けて歌っていますが、私は、その空の中に、ただひとりの大切なひとを想い浮かべ、歌っているのかな、…と。
あゝあなたはもうこの世にはいないのだな
夜が嫌いなのは、空に光るあの星が
何百光年も昔の光であること
あなたがそばにいないことを思い知らされるから、なのかな
それでも、それだからこそやっぱり
歌っていたい
あなたに届いていると信じて
きっと届いてますよ
切ないけど素敵な詩でした☆
我々の世界には後悔や嘘が存在していますが刹那なので気に留めることなど無いのかもしれません。
それらをとっておいてエッセンスにするのは悪く無い遊びとも言えます。(個人の感想)
最終連の飛行機雲に人の存在を思います。
歌うのをやめない理由。やっぱり誰かを探しているんだと思います。
わたしは歌うのをやめないのです
この一行に 深い愛を感じます。
そして、あまねさんの詩人魂も感じる。
@あぶくも さん
パンチ力、ありましたか。ありがとうございます。嬉しいです。
@トノモトショウ さん
さすがの読解力!ご明察。
「あなた」も「わたし」もわりと不特定多数になることを意図して書いています。
@長谷川 忍 さん
コメントありがとうございます。
そうですね、恋の歌にも読めるように書いています。届きそうで届かなかったり、恋に限らずコミュニケーションというのはもやもやしますね。
@雨音陽炎
コメントありがとうございます。嬉しいです。
@たちばなまこと さん
そう、刹那も集まれば何とやら、でね。
普遍への道は遠いのです。
@花巻まりか さん
コメントありがとうございます。そうですね、探し続けるのが人生のような気もします。
@こしごえ さん
いつも丁寧に読んでくださってありがとうございます。
詩人魂と言えるほどのものは持ち合わせていないのですが(笑)たぶん一生書き続けるんだろうなーとは思います。礼。