風速計

春が着いた
質感でそのことを知った
白いシーツ
草のようなところで
息を吐いて吸う
自分の内も
入れ替わり始める
良く整備された風速計の
真似をしようとして
笑ってしまった
本当は風のことなど
何も知らないのだから
誰にも気づかれないように
太陽を少し盗んだ
春の温もりを
春の痛みを

投稿者

コメント

  1. なんとも言えない、感覚の質感(クオリアみたいなもの)で、物事を知ることがありますよね。この詩は、まさにそういう物事をうまく表してあると思います。
    たもつさんの詩自体が、感覚の質感の塊みたいなものだとも思います。
    この詩を読んで、切ないような、いとおしいような感覚になり、
    すてきな詩だと感じます♪☆^^

  2. うん。春の痛みよくわかります。
    詩情が風のように流れていきました。素敵です。

コメントするためには、 ログイン してください。