吉祥天女

南無観世音
御身
消え逝くなかりけれ。

わたしのなかに
溢れる
おと、おと、おと、の
こうずい
押し流し垂れ流し
失楽してゆく錯覚の違いは羅刹に似ていて、
鋭角に突き刺さる。
かたなだとか怒りだとか、
尖った刃は光輪で、
いつも真白く
容赦ない。

救いのいろは
何色ですか
此のミ
燃やせば
癒されますか

とい、とい、とい、の
応えなどなく
ただ闇が
明滅しては
こんじきに振るえ、
暖かさのナミ
溺れ
おぼろ
彼女が幽かに微笑んだのです。

其のまぼろしを
どれほど求め
拒んだのか

わたしは勾玉の
シに帰る眠りを遡り、
たったひとつの心言を
探し捜し
踊ってる。

珠玉の蓮は
脈動しながら
細胞と直結し、
核を刻み
消えることなき連綿の
めいみょうを

知る。

投稿者

埼玉県

コメント

  1. 詩の言葉が おどっている印象を受けました。^^

  2. @こしごえ
    さん。
    こんにちぱ

    コメントありがとうございます。

    「昴」という漫画に出てくる凄いダンサーが言いました。
    『ダンスで残ってる部分が内臓だけだとしたら、どうにかして内臓を踊らせるべきよね』。

    私も内臓まで踊っているような詩を書きたいです。

  3. とい、とい、とい、の言葉えらびがとてもお上品。
    きれいなリズムですね。

  4. @ヨダカ
    さま。
    ありがとうございます。

    この詩は約20年前の未発表作品です。
    この頃は「ひたすら美しく書きたい」という情熱のもと、書いておりました。
    だから、今書こうとしても、書けないのです。

    それでも愛おしい過去詩たちを発表させていただける場があり、
    とても有り難いです。

    お褒めいただき、ありがとうございます。

  5. はじめまして。

    ハッとさせられる、いきをのむ、イメージです。
    題名も。
    ありがとうございました。

  6. @wc
    さん。

    「初めまして」ではないですよ。笑
    りつです。
    「たかづきしの」は、中学2年生の時につけたペンネームで、漢字だと「貴月紫之」と書きます。
    (当時は小説家になりたかったのです。笑)

    「吉祥天女」は、漫画のタイトルなのですが、
    そこから、どうやってイメージを抽出していたのか、さっぱり覚えていなくて。苦笑

    我ながら、昔の私は、ずいぶん感受性が強かったのだな、と思います。

    お褒めいただき、ありがとうございます。

  7. @たかづき しの
    さん。
    漫画 何故か読みましたよ。
    ありがとうございます。

  8. @wc.
    さん
    やっとメンション機能を覚えました。苦笑
    私が初めてweb詩人会に来た時に、
    真っ先にフォローして下さったのがwc.さんで、
    とても心強かったです。

    ありがとうございます。

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