カレーライスの分解
深夜、ふと思い出し
夢の中でカレーライスの
分解を始める
専門の工具を使って
肉は脂身と赤身を分け
さらに赤身は一本一本
繊維のネジをはずしていく
ご飯の一粒は小さいけれど
細かい部品が多い
一番やっかいなのはルーで
パーツごとの結合が強く
力加減に注意して
壊さないようにばらしていく
君が作ってくれたカレーを
思い出しながら作業を進める
美味しいカレーなのに
どんなに綺麗に分解しても
君の味に敵わない
この夢の中ではもう
君がいないことになっているから
やがて目が覚めて
新しいおはよう、を
君に言う時まで
カレーライスを分解し続ける
本当はこれは夢ではないと
薄っすら気づき始めているけれど
終わらない夢の中で
ひたすら分解をし続けている
コメント
この詩も分解不能な味わいを持っていますね。最後の4行で哀しみが味わいに加わり、詩の奥行きがグンと深く感じられました。ごちそうさまでした。
カレーライスを分解するって
発想が面白いですね(^^)
なぜにそんなことをしているのか
君が作ってくれたあの美味しいカレーライスを、再現したくって
こと細かく、肉の繊維やルーの成分に至るまで、何をどうやれば再現できるのか知るためで
だけど、同じ味にはなかなかならないんですよね^^;
教えてほしくても、君はもういないし
っていう。。。
「愛情」は分解できないのかもしれませんね。
次は肉じゃがかオムライスを分解してみてください。
@汀尋(ていじん)
汀尋さん、コメントありがとうございます。詩の奥行き、って素敵な言葉だと思いました。美味しく召し上がっていただければ何よりです。お粗末さまでした。
@雨音陽炎
雨音陽炎さん、コメントありがとうございます。市販の同じルーを使うなら実はそんなに味って変わらない気がします。けれど、なかなか同じ味にはならなくて、隠し味もあるのかもしれないけれど、手間のかけ方とか、火の入れ方、タイミング、そんなものかもしれないですね。後は、誰と食べたか、かな、、、
@nonya
nonyaさん、コメントありがとうございます。愛情の分解は不可能ですね。様々な学問分野からは定義や理由付けはできそうですが、だからどうした、っていう。
次は肉じゃがかオムライスを分解してみてください。
本当にやっちゃおうかな。読めないものになりそうですが。