あたしにとって

あたしにとって

いつか
あのバンドはボーカルの歯がピカピカになってダメになった
あんたは黄色い歯を見せて笑った

その日
あんたはCDをくれた 
ジャケ写のボーカルの歯並びはガタガタ
そこから
あたしの音楽は始まった
がんじがらめで死ぬほど苦しい
そんな真っ暗な中でも 
音楽は今でも光ってる

あんたの死体は物悲しかった
黄色くやせ細って顔は別人みたい
あたし涙なんか一滴も出なくて
そんな自分を薄情だと思った

そう
あんたは酷い死に方をした
大切な人全員にそっぽを向かれて
本当の孤独に触れたに違いない
そう 死人しか触れたことが無いような

あたし
あんたの最後の電話を無視した
それなのに
あたしまだ生きてる
あたしだけがまだ生きてる
そんなことを考える度 
あたしの頭はぐちゃぐちゃになる

あんたの死体は物悲しかった
黄色くやせ細って顔は別人みたい
あたし涙なんか一滴も出なくて
そんな自分を薄情だと思った

覚えてる?
家に帰れなかったあたしは大抵あんたの家にたむろしてた
あんたはあたしに帰れということも無くて
小っちゃい軽でよく海岸に連れて行ってくれた

あたしあんたの最後の電話を無視した
都会の熱に舞い上がってた
あたしほんとに最低だ
お願い
あたしを憎んでよ
あたしを憎んでよ
でもそれももう叶わないみたい

あんたの死体は物悲しかった
黄色くやせ細って顔は別人みたい
涙なんか一滴も出なくて
そんな自分を薄情だと思った

あんたの死体は物悲しかった
この間初めて涙が出た
500円弁当を買った店であたしの裾はびしょぬれ
流れてたツェッペリンのせいだ

投稿者

北海道

コメント

  1. ツェペリンはいい。ヽ(´ー`)ノ

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