色彩

色彩の無いまだ
生物未満のものが
漂う原始のような海で
わたしは風の匂いを嗅いだ

ここにいる理由を
誰が説明できるだろう
ここにいる意味を
誰が否定できるだろう
ざわめく孤独と鼓動
走ることに夢中で
泳ぐことも忘れていた

あなたの名前を呼ぶ
呼びながら疾走する
初めて呼ぶ名前はあなた
産まれる前からずっと
そう決めていた

明日というものがあるのなら
見てみたい
聞いてみたい
触れてみたい
海にしるしを刻む
わたし、
色で今を埋めていけ

投稿者

コメント

  1. これも新境地ですね!
    不思議なたもつさんの世界観も大好きなのですが、こうゆう「叫ぶ」ような詩は、よりストレートにこころに突き刺さります。

  2. どんな色彩だったのだろう? …ということを、読後、想像してみました。名前が色彩になるのか、色彩が、名前になっていくのか。未来への不思議さが込み上げてきます。

  3. @たかづき しの
    たかづきしのさん、コメントありがとうございます。
    確かにこのような書き方はしたことがあまり無いような気がします。何も考えずに、わりと衝動的に書いたかも、、、

  4. @長谷川 忍
    長谷川忍さん、コメントありがとうございます。どんな色彩にしたいのか私も気になります。未来って不思議ですね、いろいろな要素が積み重なってひとつひとつ丁寧に作られていく、その偶然さが。

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