山藤
あんたがあたしのモノにならないんだったら
絞め殺してあげるわ
そんなことをブランデーの色に染まった夜に
枕もとで言ってた女
朝にはいない
そこは人がいる場所じゃなかった
霞む目と力の入らない足
甘ったるい息を吐きながら
山を下りる
カサカサと足の下で
笑われながら
あんたがあたしのモノにならないんだったら
絞め殺してあげるわ
そんなことをブランデーの色に染まった夜に
枕もとで言ってた女
朝にはいない
そこは人がいる場所じゃなかった
霞む目と力の入らない足
甘ったるい息を吐きながら
山を下りる
カサカサと足の下で
笑われながら
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コメント
最後の「カサカサと足の下で
笑われながら」がとても斬新に思えました。
斬新でしたか(笑)ありがとうございます。
あんたがあたしのモノにならないんだったら
絞め殺してあげるわ
うむ。ここが印象的です。これは山藤のこころでしょうか?
個人的なことですが、以前は春の頃、近くの山に行って山菜を採りに出かけた際に、山藤が咲いているのを見たことがあります。山の中で見る藤は格別なものがありました。その時は、その花が空中というか空に咲いているように見えました。今思えばいい経験です。
花言葉を調べてドキドキしました。
こしごえさん
山藤は花の季節はそれは見事で素敵です。色々な木が藤の紫を咲かせます。はらはらと散って舞う花びらもよくて、足元に見るときょろきょろと上を探してしまう。
しかし花の季節以外、とくに葉も落ちる晩秋になればトグロをまき締め付けるその姿がおそろしげ。
たちばなまことさん
藤と松の話を知ってますか。藤は女性で松は男。よく合わせてお寺とかに植えてあります。セクシャルなイメージもわきますが、やはり松に巻き付き締めあげるその様は恋の執念を表すのじゃなかろうか。
実際はどの木をも足蹴にしてよじ登り、誰よりも太陽の光を浴びたいお日様に恋い焦がれる女性なのかも知れない。
お写真とも相まり、ちょっと怖い。「あなた」は、夢だったのか、幻惑だったのか。それとも…。カサカサという音(笑い声?)も意味深です。
夢だったのかなぁ。。なんて、お酒を飲んだりしたら気をつけないとですね。タヌキやキツネに化かされるかもしれないし。
写真は実はヤマフジではなくてフジで代用してます。ヤマフジであそこまで大蛇的なのはなかなか見つからなくて。
藤は締め付ける相手を枯死させるやっぱり怖い植物。悪意なさげに揺れる紫の花がずるい。