生まれる前に、
ある夜のこと。寝室で兄と話していた。
君もこんな会話したことあるかもね、戻れるなら何歳に戻りたいかって話。
「私だったら…2歳くらいかな」
「2歳ね、ほとんど記憶ないんじゃない?」と兄。
「そうだね、お兄ちゃんは?」
私は兄に尋ねた。
「僕は、生まれる前に戻りたい」
「それってお母さんのお腹の中?」
そしたら、その人は、
「親選びから」
って答えた。
「え?今のお父さんたちが嫌いってこと?」
そんなの聞けなかった。
兄はどこかを見て笑っていた。
「じゃ、もう寝るね。おやすみ」
兄が一番最初に入ったその部屋。私には知らない部屋と兄。
お兄ちゃんは模様替えでもしてくれていたのかな?
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