
Scherzo
A音。
AーAa,AAーa,Aaー
絶え間無く平坦に繰り返す耳鳴りが
(ラ)のおとだと気づくのは
虚しく遣りきれない。
窒息しそうな圧迫が
次々と追い駈け
螺旋を巻いて
私、
皮膚の舌から
はだかになってしまう
望んだわけではなく
楽しさを見つけられない夜啼鳥の
三拍子くるった歪みが頭蓋を抉るので、
嫌みな笑いを抑えきれない。
裸になった私は
理科室の人体模型よりも惨めに薄汚れて
腐りかけたアメリカンチェリーの甘く爛れた匂いを発酵させながら
赤黒い体液を垂れ流すのだ。
粘っこい液体は蒸発することなく
床にしたたる傍から
じゅうじゅうと滴る濃硫酸よりネチャネチャと止まることなく腐敗する。
一定律の調和は乱された。
(ラ)の次は(シ)だ。
B音。
B-BB,BB-B,BBB,B-B
ブーイングが心地よい
脳髄を直撃する愉悦に失禁しそう。
電流(ラ)の上を走って
涎、ひた垂れる。
音階が
私の体を隅なく踊り
私は
(ド)に打ちのめされ、(シ)を超えた
C音のみなもとを
知る。
コメント
ゆきました。
あなたのてで、
おとのそとへ
頭の弾けるからだの弾ける
やらしいねがきこえました。
あなたの言葉の舌先が
わたしの飢えを確かにさわります。
押しひろげて、笑ました。
@またたび
さん。
まだイっちゃダメだとあんなにいったのに そうろうだとは知らなかったワ
@たかづき しの
夜を飛びすぎたのでしょう。
そらのうえでいきすぎたようです。
鳥も、慰めの夜はあるのですよ。
ぴゅ。ぴゅ。ぴゅ。とね。
@またたび
さん。
ぴょぴょと囀ずるひよこ鶏に
せいちょうすれど空飛ばぬ鳥
飛距離 30cm
Aの耳鳴り。
私も過去にこの詩で告白しました。
https://poet.jp/photo/534/
そんなシンクロを感じながらも、詩全体を覆う怪しさエロさ猥雑さみたいなものは冗談とは言え大好物です。
@あぶくも
さん。
えーっ!若い!ギラギラしてますね。ふっ。
この詩は、意図してなかったのですが、腐ったアメリカンチェリーみたいに、じゅくじゅくとした詩になってしまいました。
でも、20年前の詩なので、
あぶくもさんと同じく私も若かったってことで。笑っ
@たかづき しの
さん、私の過去の投稿したのも制作したのは20代だったかなー、いつのやつ投稿してんねんって話ですけど(笑)
腐ったアメリカンチェリーって表現最高です。
@あぶくも
さん。
だって、あぶくもさんが露骨にファックファックって叫びまくってるんですよ!
うそーんって感じで。
で、肝心の告白は、上手くいったのですか?
@たかづき しの
さん、告白ってそう言うことではなくて、Aの耳鳴りを詩の中で告白したと言うことです(笑)
@あぶくも
さん。
あ~なんだぁ。そゆことかァ。残念。
ところで、タイダイは、
胎胎じゃないですか?
胎児を受胎する。