ネズミ男14 カルマ分岐点

ネズミ男は
無限にループする
輪廻の交差点で
左右を確認した
どっちも事故っていた

後ろから来たのは前世の自分
前から来たのは来世の借金取り
空にはおまえのカルマは
残り3つと
書かれた雲が浮かんでた

ゴールデン親父にだけは
会いたくねえと思ったら
閻魔大王だったとは
俺もうっかりしてたな

あいつの髭の匂い
どっかで嗅いだ事あるなって
思ったのが 大間違いだったわ

ネズミ男はカリカリ梅を一粒
要はこの選べって圧が
もう罰だよな

輪廻の交差点の真ん中に正座して
さてどうすんべかなと
目を閉じた

その瞬間
足元から現れた非常口のマークの緑の奴がニカって笑い
猛烈な勢いで回転し
地面がパカッと開いた

滑り込んだ先は
カルマすっ飛ばしバグった路線
握った手に持ってた
チケットの名前は自由意志

閻魔の裁きも
因果の方程式も
ガムの包み紙に丸められて
輪廻の交差点に捨てちまえ！

ネズミ男はそのまま
虚空のホームに立ち尽くし
シケモクに火を灯した
前世だの来世だの
めんどくさいっちゃ ぷか〜
発車ベルが鳴り
脳内で流れた声にギョッ！とする

ネズミ男999に乗りなさい

め、め、め、めーてる？