罪状:

電子的死刑宣告が
昨夜執り行われました
誰にも見られずひっそりと
骨は既に砕かれました

塗り潰される偽りに
増大していくエントロピー
領域を削るS波の色は
産声より尚、純粋でした

蔑んだ目、目、目
空気は質量を持ちました
ほら、そこの樹洞の隙間にも
謂れ無い小人がいました

永劫のインディゴを宿した瞳
やがて目だけが残りました
幾歳月が過ぎ去った今でも
ただ、一点を見続けていました

それでも一つ思うのです
何が偽りだったのかと
それでも一つ思うのです
一体全体何だったのだと

石盤色の葬儀場は
妙にしいんとしていました
立てかける写真の前には、一つ
勿忘草が添えられました

投稿者

千葉県

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。