忘れな草

忘れな草

咽せ返る様な教室
ふと誰かの声が近づく
記憶を辿る意思疎通
僕はただ、頷くだけ

この花に名などあろうか
今、サナギの様にうずくまって
越冬して 生まれ変わって
ねぇどうして どうして

心がざわめくんだ
君を目にすると 火坑に落ちて
痛みにやられる
ノートの隅のラクガキみたいに
忘れ去るものなんだろうけど

放課後の静かな教室
ありえない逢瀬
チャイムが響く
君はただ暮らしているだけ

この先に何があろうか
今、斜陽に向かって走って
葛藤して 救われて
ねぇ通して そこ通して

心が震えるんだ
僕の目にするもの 花と散って
伝えたいことは、めっちゃ単純なのに
解答用紙は まだ白紙のまま

生まれてから初めて声が出たような
踏みつけられた 名の知らぬ花
それに名前をつけるみたいに
僕は言うよ

投稿者

東京都

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