灰色の世界
あたかも幸せが、砂のように開いた両手のひらから零れ落ちていく感覚
普通であることから離れていく、離岸流に流されている、そこに運命を感じるのだ
心の奥底、冷たい未来予想が水銀の湖のように広がっていく
暗い絶望が心を蝕んでいく、哀しみか、苦しみか、吐く息鉛のように重い
怒りだ、怒りよ、どうしてお前が現れないのか、怒りさえ生ずれば、私は戦える
手のひらで頬を叩く、この惨めな、暗闇から私は抜けたい、怒れ、全てを、私自身を憎めて
無気力、無関心、無感動、無頓着、すっかり無に呑み込まれてしまった
どうでもよい、なんだっていい、これが絶望か、身体、心の動きが止まっていく
ここは暗闇ですらない、死骸にもなれない、生きてもいない、灰色、不愉快な雑音は止まらず、高熱と極寒、悪臭、私は虚無の世界の住人である
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