老い桜

杖にすがり歩く老母

ひとあし
つまづくようにひとあし

遅々とした歩みに
気は急くが
急がせることはせず
危うげなその足取りを
見守っていた視線を
ふと上げた先に

夕刻の迫る闇の中
薄紫に煙り咲く
老い桜

ハッと息をのむ

投稿者

愛知県

コメント

  1. これらの詩行にすてきな心情描写が成されていると思います。
    そして、

    夕刻の迫る闇の中
    薄紫に煙り咲く
    老い桜

    ハッと息をのむ

    ここの描写が見事だと思います。

  2. @こしごえ さん、コメントありがとうございます。
    この一瞬の描写を見事といっていただけたので、うれしいです。ありがとうございました。

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